沼津 影絵畳プロジェクト
Numazu Silhouette Tatami Project





本プロジェクトは、畳を共通の軸として、現代美術作家・浅野ひかり、沼津市の畳職人・稲村畳店、そして旧畳材料卸問屋である「Artspace 入サ岩﨑商店」の三者が協働するアートプロジェクトである。畳という素材を通じて、人と人とが出会い、交流する場を生み出すことを目的としている。
私は稲村畳店の工場を訪れ、畳製作の実演を見学し、職人の仕事に触れた。実際に工場に滞在し、畳や小畳の制作に取り組んだ。畳表の硬さや、まっすぐ切ることの難しさに直面しながら、畳が想像以上に強靭で、身体的な感覚を伴う素材であることを実感した。また、畳表を扱う業者の来訪を通して、畳業界では現在も対面による関係性が重視され、地域を越えて人がつながっていることを知った。
制作を進めるなかで、畳と人間の身体性の共通点に着目した。「起きて半畳、寝て一畳」という言葉に象徴されるように、畳は日本人の生活と密接に結びついてきた存在である。職人とその家族の姿に触れるなかで、畳に宿る「命」を表現したいと考え、「日焼け」という現象をモチーフに据えた。畳も人と同様に日差しを浴びて変化していく存在であるという視点から、畳と人間を重ね合わせる表現を試み、海辺のまち・沼津の特性を生かして制作が進められた。作品は個人によって完結するものではなく、沼津という土地と人々との協働によって生まれたものである。現代において畳の存在感は薄れつつあるが、それでもなお畳は人をつなぎ、場を生み出す力を持っている。本展示は、その可能性をあらためて提示する試みである。







沼津 影絵畳プロジェクト
開催期間:2025年7月19日(土)〜7月26日(土) 10:00〜16:00
開催場所:ArtSpace 入サ岩﨑商店
同時開催イベント:ミニ畳づくりワークショップ、クロストークイベント
助成:アーツカウンシルしずおか